PHPの開発環境とライブラリと振り返りと近況
昔のコードを触る機会があった。
PHPの自作フレームワーク現状まとめ - ログ日記
この辺のやつ。
もう7年も前か…。
当時はテンプレートエンジンに変数を渡す場合、アクションコントローラーでメソッドを呼び出すのが流行っていた。
<?php class MyController { public function index() { $this->set('foo', 1); } }
や
<?php class MyController { public function index() { $this->foo = 1; } }
のような感じ。
どこでも変数を設定できるから作るときは楽なんだけど、コードが膨れてきたり後から見返すとあちこちでテンプレート変数が設定されていたりして大変だった。
それから、自分の作った機能なのに自動設定しすぎで結構忘れていた。
PHPのフレームワークを作った - ログ日記
@var でリクエスト変数のIDからDBアクセスして取得したオブジェクトをインジェクションするのはやりすぎだったかもわからん。
慣れると開発がめっちゃ早いんだけど。
$db->save($obj) で保存するのは楽だし、where(['col' => $value]) でSQL作るのも楽。
多少遅くてもいいならORMも便利だったなあと思い出してきた。
ただし、arrayや動的生成を多用していて型チェックされないのは不安だし、定義にジャンプできない部分が結構あった。
テンプレートエンジンの箇所でバグが出るのも若干不安。
それで忘れていた考え方の振り返り。
ぼんやり振り返り - ログ日記
この頃は、動的にコードを生成したり、流れるようなインターフェースにしようとしていたりしていた。
静的解析は使っていなかったし、コード補完もほとんど使ってなかった。書き方の問題もあって精度が低かったし。
その後、フルスクラッチの案件はあまりやらなくなって、WordPressとかEC-CUBEとかどこかの独自システムとかの修正等をやっていた。
そして最近、再びフルスクラッチでシステムを作った。
今見たらPHP 6万行、HTML 2万5千行、JavaScript 1万行あった。
PHPのテスト 8千行、CSS 1万行 も入れたら、10万行超えるね。
ここまでやったのは初めてかもしれない。
PHPのツールは
・自作フレームワーク
・自作ORM
・自作テンプレートエンジン
・jQuery
から
・自作DIコンテナ PHPのDIコンテナを作った話 - Qiita
・FastRoute
・BladeOne
・Closure Library
に変えた。
速度重視の方針なので、基本ベタ書き。
フレームワークを使うと自動生成に頼っちゃうけど、手書きだとクラスを自分で書くことになる。
その代わりPHPStan のレベルMAXでチェックできて、クラスの定義もすぐ見れて安心感がある。
PHPStanに慣れてきてジェネリクスまで使えるとなると、今はBladeOneのテンプレートエンジンを外したくなってるところ。PHP側でめっちゃ細かく型チェックしてるのにテンプレートエンジンがザルだと意味ないじゃんっていう。
JavaScriptは速度重視なのでClosute Compiler、それならClosure Libraryだろうってことで。
PHPはフルスタックは嫌だけど、JavaScriptはnpmの細かいライブラリの方が嫌だ。なので依存はClosure Toolsだけにする。
CSSもClosure Stylesheets。最終更新めっちゃ古いけど。
PHPは、FastRouteとDIコンテナとzend-diactoros とBladeOne、セッションライブラリ、Monologやちょっとしたツール系を繋げる薄いフレームワーク的なものを書いた。1000行いってないのでフレームワークというほどでもない。
開発環境は
・etags, gtags
・PHPのモデル、コントローラー、HTML、CSSなどで分けてターミナルからEmacsを複数ウィンドウで立ち上げて並べる
・ローカルのApacheにバーチャルドメインで開発環境を設定、DBその他サービスもローカルにインストール
・GitLabから独自hook呼び出し
から
・gtags, ac-php
・purpose-mode でウィンドウを複数立ち上げて並べる
・systemd-nspawn で開発サーバーを用意
・GitLab CI
という感じに変わった。
あまり大きくは変わってないか。
Ansibleを使い始めたのが大きいかな。全体的に一周遅れてる感があるけど、KubernetesやDockerはオーバースペックなのでしゃーない。
DockerはCIのテストで使ってる。
サーバーは相変わらずさくらクラウドとさくらVPS。コスパが良い。
大量アクセスをさばくのではなくて、1回のリクエストの応答を0.2秒以内にしたいとかいう方向の速度を出したいという要求がある。
個人的にも、最近のスマホ版Webは好きじゃない。細かくリクエストが分かれていてローディングアイコンがいつまでもクルクルしているし、もっさりしているし、スクロールが飛ぶし、リッチさにハードスペックが追いついてない感じがしている。
スケールアップで十分な規模のサイトをスケールアウトするのはナンセンスな感じもある。
あと、ネットショップばっかりやってるっていうのもあるかもね。
トランザクション大事。
そんな感じで最近はやっている。
でもさすがにSQLベタ書きは疲れてきたので、型チェック厳しめのORMを作りたいとか思っている。
関数呼び出しとオブジェクト生成って地味に処理時間取られるからあまり複雑なことはやりたくないんだけどね。管理者側の単純なCRUDならORMの方が開発コストが大幅に低くなるので、迷っている。
逆に、表側は長大なSQLを書いているのでORMは無理。
ひとまず次にやることは、テンプレートエンジンを外したり、コードを整理したり、テストを書いたりかなあ。
テストは金額計算と日付計算しかやってない。これで十分といえば十分だけども。
あとはE2Eテストか…。
何個か書いたけど、重いので増やしたくない方向に意識が傾いてしまう。
push時に実行するテストと毎日1回実行するテストを分ける、とかかなあ。
テンプレートエンジンを外すというのは、
型がある時代のPHP、テンプレートエンジンでも型チェックしたい - Qiita
こういうこと。
あと、これだとhtmlspecialcharsを忘れて危険なので
PHPStanで素のPHPをテンプレートとして使うとき、htmlspecialcharsをチェックする - Qiita
これもセットで。
少しずつやってる。